酵素の働きと性質

 生物は、生きていくうえで過酸化水素が体内で発生してしまいます。この過酸化水素は有害な物質なのですが、私たちの体の中にあるカタラーゼという酵素が無毒化してくれます。今回は、カタラーゼを含んでいるブタの肝臓とジャガイモを用いて、実験を行いました。
準備器具
 ・器具:試験管4本、試験管立て、チャッカマン、ピペット、乳鉢、乳棒、線香、石英砂
・材料:ブタの肝臓、ジャガイモ(生とゆでたものを用意する)、3%過酸化水素水
 操作
  <実験1> (1) ブタの肝臓の小片と石英砂を乳鉢に入れ、すりつぶした。(石英砂を入れるのは、すりつぶしやすくするため)その後、純水を約10[ml]入れ、乳棒で混ぜ合わせてから上澄み液を約1ml試験管に入れた。

(2) 生ジャガイモの小片を別の試験管に入れた。
(3) それぞれの試験管に、過酸化水素水を約2mL加え、様子を観察した。
(4) 2本の試験管の中に、火のついた線香を入れ、様子を観察した。
(5) さらに、反応が収まった試験管に過酸化水素水を加えた。
<実験2> (7) (1)で作った上澄み液を約1[ml]試験管に取り、ガスバーナーで加熱した。1分間沸騰させた。
(8) ゆでジャガイモの小片を別の試験管に入れた。
(9) それぞれの試験管に、過酸化水素水を約2[ml]加え、実験1との違いを観察した。
結果
 実験1では、ジャガイモ・ブタの肝臓のそれぞれの試験管で反応が起こり、気体が発生しました。また、線香を入れると火が少し明るくなりました。このことから、発生した気体は酸素だとわかりました。また、(6)でも反応が起こったことから、同じ酵素を用いて繰り返し分解することができるとわかりました。
実験2では、どちらの試験官でも反応が起こりませんでした。


 これらのことからジャガイモ・ブタの肝臓にはカタラーぜが含まれており、過酸化水素を分解したことがわかりました。また、同じ酵素が何回でも分解できることがわかりました。しかし、実験2の結果から、加熱すると酵素が働かなくなってしまうこともわかりました。

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